■Techno Stress Q&A ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

       テクノストレスQ&A
       第0007号 (1999.12.06)
               http://www.tecno-ao.co.jp/magazine/

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メールマガジン「テクノストレスQ&A」にようこそ!!

   このたびは、「テクノストレスQ&A」をご購読頂きありがとう
   ございます。第6号では、テクノストレスの典型的な症状である
   「肩こり」をとりあげてみました。

   平成11年7月に労働省が発表した「技術革新と労働に関する実
   態調査結果速報」によると、仕事でコンピュータを使用すること
   に身体的疲労、自覚症状を感じている労働者の割合の内訳は、
   「目の疲れ・痛み」(90.4%)に次いで、「首、肩のこり、痛み」
   (69.3%)「腕、手、指の疲れ・痛み」(22.5%)となっています。

   このように多くの人々が訴える症状の原因を究明し、改善するた
   めの提案をしていきたいと思っているのですが、「肩こり」や
   「目の疲れ」はあって当たり前、仕事を一生懸命している証だと
   「勲章」のように言葉どおり「身につけている」人も中にはいる
   ようです。

   また、労働省の調査において身体的疲労・自覚症状を訴えている
   人々を就業形態別に見たときに、派遣労働者の訴える割合が92.8%
   にも達していることも非常に気になります。あなたの周りの派遣
   社員の「声」を是非お聞かせください。

   さて、今回は、前回の「肩こり」をふまえて、欧米で問題視され
   ている「RSI(反復性過労障害)」や「頸肩腕症候群(けいけ
   んわんしょうこうぐん)」についてとりあげてみたいと思います。
   これらは、海外においても国内でも労災申請が可能な症状として、
   職業病としての調査研究が盛んに行われています。

   今回は、年末合併号として、皆様に健やかな年越しをしていただ
   けるよう、心をこめてお届けしたいと思います。

●○  目次  ●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○

1.頸肩腕症候群とは
2.RSIとは
3.頸肩腕症候群、RSIの原因
4.頸肩腕症候群、RSIの症状
5.頸肩腕症候群、RSIの防護策
6.労災申請について

●○ 1.頸肩腕症候群とは ●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○


   VDT作業に起因する「肩こり」や「眼精疲労」などの症状は、
   「VDT症候群」と呼ばれていますが、日本眼科医会のVDT研
   究班はその診断基準を次のように定めています。

   (1)眼精疲労を有すること(単なる疲れ目ではない)
   (2)頸肩腕・手指を中心とする筋肉の痛み、抹消神経痛の存在
   (3)中枢神経、精神機能系を中心とする高次の症状、例えば、
      うつ症状などがあること

   このように、頸肩腕症候群とは、首、肩、腕などの部位がひどく
   こったり痛かったりするなど、これらの部位に疲れの症状が強く
   現れ、病的な状態に陥ってしまったことをさします。また、手に
   現れる症状をまとめて「手根管症候群(しゅこんかんしょうこう
   ぐん)」と呼ぶこともあります。

   「VDT症候群」の典型的な症状として現れる頸肩腕症候群です
   が、海外においては、「RSI(Repetitive Strain Injury)」、
   つまり、反復性過労症候群として扱われています。

   ここでは、頸肩腕症候群とRSIをまとめて紹介していきたいと
   思います。



●○ 2.RSIとは ○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○


   反復性過労症候群は、前世紀から存在しており、手や腕を酷使す
   る職業をもつ人に見うけられました。例えば、養蚕場における糸
   巻工、皿洗い、電話交換手、電気技師、印刷屋、梱包業者、製陶
   業者、肉屋などがあげられます。ただし、その頃は、熟練してい
   ない人が発症しやすいと考えられており、社会的な認知はされて
   いませんでした。

   ところが、近年のコンピュータの普及に伴い、VDT作業を行う
   人々の間にRSIを発症する人が急増し、職業病として取扱われ
   るようになりました。

   海外においては、RSIはVDT作業者にとって、過去最大最悪
   の健康障害とも言われており、初期兆候がでたときにすぐ対処し
   なければ、麻痺などの取り返しのつかないことになってしまうと
   警告されています。



●○ 3.頸肩腕症候群、RSIの原因 ○●○●○●○●○●○●○●○


   VDT作業に起因するこれらの症状は、キーボード操作による反
   復作業によるものだけではありません。電磁波ストレスや静的負
   担とよばれる要因、人間工学的な要因等も考えなければなりませ
   ん。次にあげる様々な要因によって筋肉に負担がかかることによ
   り、血流が阻害され、筋肉や神経に栄養分が届かなくなって発症
   するのです。

   (1)電磁波ストレス
     筋肉を動かすための神経伝達物質や細胞間のイオン交換が電
     磁波ストレスによって阻害されます。

   (2)静的負担
     実際にキーボード操作やマウス操作を眺めてみましょう。す
     ると、指先は操作のためにこまめに動いていることが分かり
     ます。ところが、腕や肩を見ると、じっと動かずに指先の動
     きを支えていることが分かります。こうした静的な筋肉の収
     縮に人間は弱いとされています。よって、指先よりも早く
     「肩こり」が始まってしまうのです。

   (3)人間工学的要因
     キーボードやポインティングデバイスのデザインや位置、椅
     子や机の位置や配置など。特にノート型パソコンはキーボー
     ドが小さく身体に負担がかかりがちです。

   (4)VDT作業環境
     1日の作業時間が長いほど症状の訴え件数は増えています。
     作業空間の広さや温度、照度など。

   (5)精神的ストレス
     精神的な緊張感が続くと、筋肉の緊張・疲労が起こりやすく
     なります。



●○ 4.頸肩腕症候群・RSIの症状 ○●○●○●○●○●○●○●○


   (1)初期症状
     指や手、手首、腕、首や肩にズキズキする痛み、熱く焼ける
     ような感覚や腫れが生じます。

   (2)中後期症状
     同部位の麻痺や痙攣。作業中や特に作業終了時に発症し、痛
     みで睡眠が阻害されたり、朝起きたときにしばらく指や手首
     の感覚が麻痺しているように感じたりします。

   (3)末期症状
     もう、後戻りできません。痛みが継続し、VDT作業以外の
     単純作業も困難になります。例えば、歯磨きやボタンのかけ
     はずし、ふたの開け閉めなどもできなくなります。

   症状の診断においては、加齢による骨・関節系の退行性変性や関
   節リウマチなどの類似疾病が干与していることもあります。VD
   T作業による頸肩腕症候群を見分けるコツは、VDT作業を行っ
   ているとき、または、終了時に発症すること。初期症状において
   は、VDT作業に戻ると症状が繰り返し起こるかどうかをチェッ
   クして下さい。詳しくは労災認定の対象とする疾病のところで説
   明致します。



●○ 5.頸肩腕症候群、RSIの防護策 ●○●○●○●○●○●○●○

 (1)画面のチラツキをおさえ、文字をクリアに見やすくすること
 (2)1時間のVDT作業の後に最低でも10分間は休息すること
 (3)1日のVDT作業時間をできれば4時間までとすること
 (4)キーボードや椅子、机の高さを調整すること
 (5)アームレストや背もたれのある椅子を使用する
 (6)足が思いきり伸ばせるような空間をつくる
 (7)休息時間にストレッチをする
 (8)VDTを使用しないときにはスイッチを切ること



●○ 6.労災申請について ●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○


   全国労働安全衛生センター連絡会議では、全国6箇所でホットラ
   インを設けて1996年の11月15日〜16日の両日に「VD
   T労働ホットライン」を実施したところ、数多くの「頸肩腕症候
   群」の患者から相談があったそうです。

   労災認定基準については、平成9年2月3日に改正があり、次の
   ような内容となっています。表現が難しいのですが、労働者災害
   補償保険法中の表記のまま抜粋しています。

   (1)対象とする疾病
     上肢等に過度の負担のかかる業務によって、後頭部、頚部、
     肩甲帯、上腕、前腕、手及び指に発生した運動器の障害(以
     下「上肢障害」という)が含まれます。

     診断名としては、代表的なものを例示すれば、上腕骨外(内)
     上卦顆炎、肘部管症候群、回外(内)筋症候群、手関節炎、
     腱炎、腱鞘炎、手根管症候群、書痙様症状、頸肩腕症候群な
     どがあげられます。


   (2)認定要件
     次にあげる要件を満たし、医学上療養が必要であると認めら
     れる上肢障害は、労働基準法施行規則別表第1の2第3号4
     または5に該当する疾病として取扱われます。

     ・上肢等に負担のかかる作業を主とする業務に相当期間(原
      則として6カ月以上)従事した後に発症したものであるこ
      と。
     ・発症前に過重な業務(同種の労働者と比較して20%以上
      業務量が増加し、発症直前3ヶ月程度にわたる場合)に就
      労したこと
     ・過重な業務への就労と発症までの経緯が、医学上妥当なも
      のと認められること

   このように、非常に厳しく現実的とは言えない認定基準が設けら
   れているのですが、症状のある人は無理を続けずに、全国労働安
   全衛生センター連絡会議(http://www.jca.ax.apc.org/joshrc/)
   にご相談下さい。相談無料、個人のプライバシーは厳守してくれ
   ます。

   2000年を迎えるにあたって、Y2K(2000年問題)とい
   うコンピュータ文明がもたらす、もう一つの「負」の要素に全世
   界が立ち向かわなければならなくなった今、もう一度、テクノス
   トレスについてもじっくりと考える時間をとって頂けたらと思い
   ます。

   政府は2〜3日の食料品や燃料、水の備蓄をと直前になって呼び
   かけをしているようですが、もっと抜本的に私たちのライフスタ
   イルを見つめなおす必要があるのではと思うのです。

   今回は年末合併号として第7号をお届けしましたが、是非年末に
   バックナンバーを含めて読みなおして頂けたら幸いです。困って
   いる友人・同僚にも是非ご紹介下さい。

   参考文献:「心とからだに優しいパソコン活用ガイド」全国労働
        安全衛生センター連絡会議



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    発行者:テクノストレス研究所
    編集者:りんたろう  e-mail:magazine@tecno-ao.co.jp

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    次号は1月17日の予定です。

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